卒業論文発表会

  
 本日、平成23年度日本文学科卒業論文発表会が、百年館505教室にて開催されました。この卒業論文発表会は、優秀な卒業論文を書いた4年生が後輩の前でその成果を発表するもので、古典文学(上代・中古・中世・近世)、近代文学、日本語学、日本語教育学、漢文学、図書館学それぞれのゼミから1名ないし2名が選ばれます。3年生は自分が4月から所属するゼミの発表がある部の全発表を聞き、レポートを提出することになっています。
 今年度は午前の部が古典文学と漢文学、午後の部が日本語学、日本語教育学、図書館学、近代文学という形で進行しました。ご参考までに、それぞれの発表者の論題を掲げておきます。

<午前の部>

  • 中古文学(高野ゼミ)

落窪物語』論―登場人物の設定から見た物語展開の原理―
源氏物語』における女君の容姿考

  • 中世文学(石井ゼミ)

観世長俊と風流―〈輪蔵〉を中心に―

  • 近世文学(福田ゼミ)

河竹黙阿弥論―『三人吉三廓初買』を中心に―

京劇史研究―政治権力と芸術表現の狭間で漂流する京劇―
呂氏春秋』にみる時令思想の意義とは―その発展と凋落を追って―

  • 上代文学(平舘ゼミ) 

言葉による想像―クシヤタマノカミに関する一考察
古事記におけるスサノヲの出雲国家形成について
<午後の部>

  • 日本語学(篠崎ゼミ)

敬語の誤用と敬語意識―二重敬語意識を中心に―
いわゆる「ら抜き言葉」の研究―使用意識と使用実態をめぐって―

  • 日本語学(清水ゼミ)

小説の「台詞」考察―男女作家14作品を対象に―
国会会議録を用いた語彙的分析―接続詞・人称詞・語種を中心に―

トル・ヨルの相違について―宮崎県方言を例にして―
若年層における外来語語彙の考察

  • 図書館学(大谷ゼミ)

複本問題と資料収集方針〜100冊の"もしドラ"か一冊目の評論か〜
広報を中心としたわが国におけるヤングアダルトサービスの現状

太宰治人間失格』―絵画を軸に読み解く―

江國香織きらきらひかる』論―示純の思いをめぐって―
夏目漱石三四郎』論―美禰子は誰を愛したか

 扱う作品やテーマが実に多岐にわたっていることがおわかりいただけるかと思います。4年間の集大成ともいうべき卒業論文のエッセンスですから、どれも聴き応えのある発表ばかり。今年はパワーポイントを活用した発表も多く、視覚的にインパクトの強いプレゼンテーションもありました。

 
 昼休みには4年生全員の卒業論文が展示され、これから卒業論文を書き上げていく3年生たちが先輩たちの力作を思い思いに手に取り、いよいよ自分たちの番だと気を引き締めている様子が見受けられました。本日の卒業論文発表会についての学生の感想はこちらからお読みいただけます。併せてどうぞ。