源 五郎先生 講演会・ご退任記念会


 本日、本学科で二十八年の長きにわたって教鞭を執ってこられた源 五郎先生のご退任記念講演会ならびに懇親会が開催されました。
 源先生は近代演劇がご専門ですが、古今東西の演劇全てにご造詣が深く、演劇評論家みなもとごろう として一年365日のうちおそらく300日以上は劇場に足を運んでいらっしゃいますし、英国を中心にヨーロッパ各地の演劇を視察し、新しい演劇の動向を紹介なさってもいらっしゃいます。「読むことと観ることの間―近代の戯曲と演劇―」というご講演は、「行為のどこに意味を見いだすか」というテーマで、森鷗外の『舞姫』と『普請中』や映画「卒業」「ニュー・シネマ・パラダイス」、菊池寛父帰る』などさまざまな作品を例に挙げ、「芸術表現のどこから何を読み取るか」を具体的に解き明かして下さいました。さまざまな映像資料をお見せ下さりながらのお話は本当に知的好奇心をかき立てられる内容で、時間が経つのも忘れてしまうほど。非常に濃密な時間を過ごすことができました。


 続く懇親会では、大学の教職員をはじめ、先生の講筵に列した多くの卒業生の皆さんから、先生にまつわるさまざまなエピソードが披露されました。いずれも先生のお人柄がしのばれる素敵なお話ばかりで、先生の教育者としての偉大さ、そして先生がどれほど尊敬され愛されているかを改めて実感するひとときでした。
 先生の今後のご健勝と 演劇評論家みなもとごろう としてのますますのご活躍を日本文学科一同、心より祈念申し上げます。源先生、本当にありがとうございました。