日本文学専攻進学説明会
日本文学専攻では、来たる4月30日に下記の通り大学院進学説明会を開催いたします。
多くの皆さんが持つであろう「大学院ってどんな場所?」「学部生と院生との違いは?」「大学院修了後の進路は?」といったさまざまな疑問にお答えします。現役大学院生から大学院生活についての本音を聞くこともできる、とても貴重な機会です。教員、博物館学芸員、日本語教員などを目指している人、自分の研究をさらに深めたいと考えている人、大学院進学に関心がある皆さん(学年は問いません)の積極的な参加を心よりお待ちしています。
社会人、留学生、学外の皆さんも歓迎です。奮ってご参加下さい。
日本女子大学大学院文学研究科 日本文学専攻 進学説明会
日時:2015年4月30日(木)14:30〜15:30
場所:日本女子大学目白キャンパス百年館低層棟505 教室
(予約不要。直接会場にお越し下さい)
問い合わせ先:日本文学科研究室
〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1
TEL&FAX:03-5981-3522
学術交流企画「樋口一葉『たけくらべ』 生成・認知・流通」
本日(12/21)成瀬記念講堂にて、日本女子大学文学部・文学研究科学術交流企画「樋口一葉『たけくらべ』 生成・認知・流通」が開催されました。
講演会では3名の一葉研究者をお迎えし、『たけくらべ』それ自体の生成・誕生、小説の認知、イメージの流通といったさまざまな切り口からのお話がありました。
橋本のぞみ氏(日本女子大学他非常勤講師)「変容する語り―『たけくらべ』の生成過程」は、『たけくらべ』の未定稿と定稿の異同を具体的に比較検討し、『たけくらべ』がどのような過程を経て成り立っていったのか、一葉の試行錯誤の跡を検証されました。
笹尾佳代氏(徳島大学准教授)「〈翻訳〉の「たけくらべ」―更新される物語―」は、『たけくらべ』の言語内翻訳(いわゆる現代語訳)やメディアを越えた広義の〈翻訳〉を取り上げ、吉原遊郭にかかわる本作が戦後児童向け図書として流通する背景について迫ったものでした。
そして山本欣司氏(武庫川女子大学教授)「信如像再検討の試み―信如はツンデレか―」は、従来「信如と美登利の初恋物語」という強固な枠組を持つ本作を、七章・十三章に描かれる信如の「恐怖」や九章に綴られる彼の実像に着目し、美登利の好意に気付いていながらそれに応えられない信如の姿を浮かび上がらせ、お三方それぞれの視座から非常に示唆に富んだお話を伺うことができました。
続く新内上演会では、新内千歳派三代目家元の富士松鶴千代氏をお迎えし、新内『たけくらべ』を語っていただきました(鶴千代氏のお弟子さんでいらっしゃる俳優の加藤武氏もサプライズゲストとしてご参加下さいました)。新内節とは江戸浄瑠璃の一ジャンルで、宝暦(1751〜1764)頃富士松薩摩掾の門人鶴賀若狭掾が創始し、哀婉な曲節で人気を得た語り物です。本日は二人の三味線が会場内を流して回る新内流しに始まり、『たけくらべ』の世界が叙情豊かに語られました。普段接する機会の少ない新内節の情感に満ちた語りそして三味線の響きに、年の瀬の慌ただしさを暫し忘れたひとときでした。
文楽鑑賞会
12月6日、国語国文学会主催の鑑賞会が開催され、人形浄瑠璃を鑑賞する貴重な機会を持つことができました。
今回鑑賞した12月文楽鑑賞教室では、人形浄瑠璃「二人三番叟」「絵本太功記」が上演されたほか、技芸員さんによる文楽の楽しみ方の解説を聞くことができました。
「二人三番叟」、技芸員さんによる解説、「絵本太功記」の順に上演され、最初は人形の細かな動きや三味線の迫力に圧倒され、ただ「すごい」としか感じることができませんでしたが、技芸員さんによる解説を聞いてから見てみると、大夫さんの声の使い分け、登場人物に対する三味線の弾き方など人形浄瑠璃の楽しみ方がだんだんとわかってきてとても面白かったです。
参加した学生は、人形浄瑠璃を初めて見るという方が殆どでしたが、鑑賞会が終わった後には「次回の講演もぜひ見たい」と口々に言っていました。普段、伝統芸能に触れる機会というのはなかなか無いと思いますが、鑑賞会をきっかけに少しでも多くの方に興味を持ってもらえれば嬉しいです。
学術交流企画 「樋口一葉と『たけくらべ』 生成・流通・認知」
日本女子大学部学部日本文学科・大学院日本文学専攻では、来たる12月21日に、学術交流企画「樋口一葉と『たけくらべ』 生成・流通・認知」を開催致します。
今年は五千円紙幣の新しい肖像に樋口一葉が採用されてからちょうど十年目という記念すべき年です。一葉研究の第一線でご活躍中の研究者に加え、新内千歳派の家元をお迎えし、日本初の女性職業作家である一葉の代表作『たけくらべ』にさまざまな視点から迫る企画です。
年の瀬の押し迫った時期ではありますが、皆様のご来聴を心よりお待ち申し上げております。
2014年12月21日(日) 13:00〜16:30
於:日本女子大学 目白キャンパス成瀬記念講堂
(入場無料・予約不要)
◆講演会
「変容する語り―『たけくらべ』の生成過程」
橋本のぞみ(日本女子大学他非常勤講師)
「〈翻訳〉の「たけくらべ」―更新される物語―」
笹尾佳代(徳島大学准教授)
「信如像再検討の試み―信如はツンデレか―」
山本欣司(武庫川女子大学教授)◆新内上演
『たけくらべ』(協力:NPO法人和文化交流普及協会)
富士松鶴千代(新内千歳派三代目家元)司会 渡部麻実(本学日本文学科准教授)
※チラシはこちらからご覧いただけます。
国語国文学会秋季大会
日本女子大学国語国文学会では、下記の通り、秋季大会を開催致します。午前の部は大学院生の研究発表会、午後の部は講演会です。みなさま奮ってご参加下さい。
日本女子大学国語国文学会秋季大会
2014年11月29日(土) 於目白キャンパス(入場無料)午前の部 研究発表会
時間 9:00〜12:10
場所 百年館低層棟601・602教室A会場(古典文学)601教室
- スサノヲとオホクニヌシ―アメノヌゴト譚を通して― M1 加野友里
- 『源氏物語』の女君と引歌表現―明石の君を中心に― M1 望月美紅
- 『木幡の時雨』の冒頭部に関する一考察―「衣通姫」「木幡」が持つイメージの摂取― D1 伊達舞
- 伏見宮貞成親王と絵巻―日記に見る絵巻と貞成親王の周辺人物― M1 剣持亜里沙
- 『平家物語評判記秘伝抄』―『今大路家書目録』から― 本学大学院研究生 阿部美知代
- 荒木田麗女と野村東皐の関係―『月のゆくへ』序文解釈をめぐって― M1 時田紗緒里
- 高井蘭山『絵本三国妖婦伝』について M1 小野寺光
- 『蓬莱曲』―日本のルネサンス的人間 M1 時津あずみ
- 梶井基次郎『ある心の風景』と『冬の日』―社会を見る目と生の希求― D1 近藤のり
- 坂口安吾『続戦争と一人の女』における一人称女語りと「女」 M1 伊藤あや
- 安部公房『砂の女』の形式変化におけるテーマ変遷 M1 土屋優香
- 五島美代子最終歌集『花激つ』―自由律短歌の獲得をめぐって― D2 濱田美枝子
- 接続詞教育の方法のモデルの提案―学習者の「そして」の誤用分析を通して― M1 呉ヒ藝
- 武田泰淳『風媒花』について D1 李娜娜
※Dは大学院博士課程後期、Mは大学院博士課程前期
午後の部 講演会
時間 13:30〜17:30
場所 百年館低層棟206教室
- コーパスに基づく格外連体修飾語の研究
本学文学部教授 田邊和子氏
《休憩20分》
- 昔話のおもしろさの秘密
大学院談話会
日本文学専攻では、下記の通り、恒例の大学院談話会を開催いたします。
今回は講師に本学名誉教授・城西国際大学大学院客員教授の倉田宏子先生をお迎えいたします。
先生は本学にご着任以来、23年の長きにわたって教鞭を執られ、多くの学生をお育てになりました。また、日本文学科長、日本文学専攻主任、総合研究所長、文学研究科委員長、理事、評議員などの要職を歴任、本年3月にご定年を迎えられ、名誉教授となられました。本年4月からは城西国際大学大学院客員教授として教壇に立たれています。
近現代女性文学がご専門の先生は、宮本百合子をはじめとする本学ゆかりの女性文学者の文学活動についても精力的に研究をなさっていらっしゃいます。今回は本学を語る際に欠くことのできない二人の人物、平塚らいてうと成瀬仁蔵をテーマにご講演いただきます。日本文学専攻一同、皆さまのお出でをお待ちしております。
日本文学専攻 大学院談話会
倉田 宏子 先生