学術交流企画 シンポジウム「定家のもたらしたもの―継承と変容―」
3月22日(土)14:00より、日本文学科ならびに日本文学専攻では、日本女子大学文学部・文学研究科学術交流企画 シンポジウム「定家のもたらしたもの―継承と変容―」を開催いたします。
近年、漫画の『うた恋い。』人気のおかげで『百人一首』への関心が高まり、その編者である藤原定家も一躍時の人となりました。
定家は本歌取や本説取という「詞は古きをしたひ、心は新しきを求め」(『近代秀歌』)る詠みぶりによって、物語性・演劇性の強い幽玄な和歌の世界を確立したことで知られますが、その後、歌人として神格化されるようになると、彼にまつわるエピソードがまことしやかに語られはじめ、室町時代には定家伝説に取材した能も作られていきます。
一方、彼の和歌は勿論、歌論における言説までもが中世文芸の世界に影響を及ぼしていきます。定家を尊崇し定家に私淑した室町時代の歌僧正徹は夢幻的・象徴的とも評される独自の歌境を切り拓くに至りました。また、その正徹と交流のあった能役者金春禅竹もまた定家に深く傾倒し、定家と式子内親王をめぐるゴシップに取材した能〈定家〉を作るのみならず、『源氏物語』や『伊勢物語』の世界を背景に持つ和歌を詞章に多く採り入れ、本説となる古典文学作品を大幅に換骨奪胎して二次創作的な能の世界を展開させます。このように、定家の世界はさまざまな形に継承され、変容を遂げてゆくのです。
和歌文学研究者に海外の古典文学研究者、能の実技者をも交えたさまざまな視座からのアプローチによって、中世文芸の世界に定家がもたらしたものが見えてくるはずです。みなさま奮ってご参会下さい。
日時:平成26年3月22日(土)14:00〜18:00(終了予定)
場所:日本女子大学 目白キャンパス新泉山館
国際交流センター大会議室
入場無料・予約不要
パネリスト