国語国文学会春季大会
5月22日に、80年館851教室にて国語国文学会春季大会が開催されました。
第一部では、社会ならびに学術の分野で活躍している卒業生や、学業において著しい成果のあった学部・大学院生などに奨学金が授与されました。
社会・学術で活躍している卒業生を対象とした青木生子賞は、元日本女子大学学長・本学科名誉教授の青木生子先生のご寄附により2012年度に創設された奨学金です。今年度は大石静氏(脚本家)と森田直美氏(川村学園女子大学専任講師)が受賞されました。大石氏からは「一途にやる」ことの大切さとテレビというメディアを通じて発信していくことの難しさについて、森田氏からは学生時代に何かひとつ打ち込めるものを見付けて欲しいとのお話がありました。引き続き、大学院生・学部生に各種奨学金が授与され、受賞者からの挨拶がありました。
第二部の活動報告・研究発表では、まず自主ゼミ活動の報告がありました。自主ゼミは単位が与えられる正規の授業ではありませんが、関心を同じくする者が集まって自主的にそのテーマに関して報告・議論を行う場で、昨年度は9つの自主ゼミが活動を行っていました。今回は中世自主ゼミのゼミ長・3年の吉田怜世さんが、定家の日記『明月記』から見えてくる藤原定家のさまざまな素顔について、パワーポイントを駆使して楽しくわかりやすい説明をしてくれました。藤原定家についてのイメージがずいぶん変わったのではないでしょうか。
次に、昨年度に優秀な卒業論文を執筆した鳥羽田由佳さん(早稲田大学教職大学院生)による研究発表「中学校社会科教科書の語彙調査某「太字」「索引」「キーワード」」が行われました。1年生には少し難しい内容だったかもしれませんが、日本語学におけるデータ処理の仕方や論の進め方などに触れる良い機会となりました。
また、今年度はドイツからの短期留学生アネリーゼ・フットさん(ハイデルベルク大学)によるスピーチもありました。フットさんは、touristとしてではなく他の学生たちと共に寮生活をしている中で気付いたことについて、ユーモアを交えてとても流暢な日本語で話してくれたので、会場からは笑いが絶えませんでした。
この春季大会は日本文学科の1年は全員出席することとなっていますが、現在ご活躍中の卒業生からのお話には学生たちも真剣に耳を傾けていました。また、先輩たちがさまざまな奨学金を受賞したり堂々と発表したりする姿に刺激を受けた学生も多かったようです。いろいろな刺激を受け、ひとりひとりが豊かな学生生活を送ってくれることを願ってやみません。