静嘉堂文庫見学会

    
 11月10日(木)午後から、国語国文学会主催の静嘉堂文庫見学会が行われました。学生14名、本学科教授源五郎先生のご引率で、豊かな自然の中に佇む静嘉堂文庫に向かいました。
    
 財団法人静嘉堂は、三菱社長・岩崎彌之助父子によって設立され、20万冊以上の古典籍と、5千点に及ぶ和漢の古美術品を収蔵しています。静嘉堂文庫の一室をお借りして、静嘉堂文庫の司書でいらっしゃる成澤さまから静嘉堂の成り立ちをご説明いただき、大変貴重な古典籍を間近で見させていただきました。重文である「つれつれ種」や、百万塔陀羅尼、日本書紀、女子風俗化粧秘伝、源氏物語の蒔絵箪笥と写本の嫁入り本、波留麻和解、東錦絵。大切な御本の数々が机に並べられ、素晴らしい品々に触れる機会を頂いて、学生の目も終始輝いておりました。
 永享3年に書かれた「つれつれ種」を実際に読むことで、書体の流麗さに感動し、実は現在のように段に分かれていなかったことや、兼好法師の作であることを確認することができました。また、女子風俗化粧秘伝に書かれた内容に、同じ女性として女性の美への追求が今も昔も変わらぬことを改めて気付かされたようでした。
    
 明治の西欧文化偏重の世相の中で、軽視されがちであった東洋固有の文化財を愛惜し、その散亡を恐れ、建てられたという静嘉堂文庫。日本文学を学ぶ者としてその思いをしっかりと受け継ぎ、次代に大切に残していかなくてはいけないと、改めて考えさせられた見学会でした。