博士論文公開審査会


 本日(6月22日(土))、日本文学専攻では博士論文公開審査会(近藤華子氏「岡本かの子論―描かれた女たちの実相―」)を開催いたしました。
 
 近藤氏は学部生時代から岡本かの子についての研究を精力的に進め、その成果が博士論文として提出されました。従来、亀井勝一郎によって所謂〈かの子神話〉に基づいた作品の読みが基盤とされてきたのに対して、近藤氏はフェミニズムジェンダー批評的な視点で多くのテクストを分析し、かの子文学に描かれた女たちの総体を捉えることを目指しています。

 近藤氏による論文の概要説明と、それに対する審査委員の先生方やフロアからの質疑は二時間にも及びました。作品の読みにとどまらず、アプローチ方法についての貴重なご指摘もあり、これから博士論文を執筆することになる院生たちにとっても非常に有益な時間となりました。今回の審査会で新たに得た知見を踏まえて、近藤氏がますます研究を深めていかれることを願ってやみません。