静嘉堂文庫見学

 本日(11月14日)、国語国文学会主催の静嘉堂文庫見学を実施致しました。今回は以下の書目を閲覧させていただきました。

 

1、百万塔及び陀羅尼 神護景雲4年刊
2、古事記(伊勢本)上巻 応永31年写(釈道祥)
3、重文 つれづれ種 永享3年(釈正徹)
4、日本書紀神代巻 慶長4年刊(古活字・慶長勅版)
5、通小町 慶長中期刊(古活字・嵯峨本)
6、羅生門(奈良絵本) 江戸時代前期写
7、源氏物語 附朱塗蒔絵箪笥54巻 江戸時代写
8、呉竹舎漫抄 日尾荊山撰 写(直筆)
9、竹のした風 日尾邦子撰 写(直筆)
漢籍
1、重文 白氏六帖事類集 北宋

 司書の成澤麻子様が、ひとつずつ、大変詳しく解説をしてくださいました。
写本は、絵入りのものは勿論ですが、正徹本の徒然草の流麗な筆致や、嵯峨本の「通小町」の雲英を押した料紙と巧みな活字は美しく、学生一同、感嘆の声をあげておりました。
また、今回は貴重な版本を三種類も見せていただきましたが、なかでも静嘉堂文庫が誇る宋版の逸品、白氏六帖事類集を間近で拝見させていただけたことはまたとない経験となりました。成澤様のご説明をうかがうと、宋版をテキストとし科挙に臨んだ宋代の受験生の姿が髣髴とするようでした。
 また、福田先生からは、静嘉堂文庫が松井蔵書に日尾荊山・邦子夫婦のまとまった蔵書を抱えていることや、特に女塾の衰退と女子大学の勃興の関係性などについてのお話がありました。
 参加した学生は、ひとつひとつに好奇心旺盛な眼差しを向け、解説に聞き入っておりました。成澤様には、学生の質問にもご丁寧にお答えくださり、心より感謝申し上げたく存じます。